職種名/広告美術業



 私たち一般社団法人神奈川県広告美術協会(以下、神広美)は主に看板に関わる業種のエキスパー トが集う団体です。改組改称を経て昭和 29(1954)年より約70年にわたり技術の向上、公衆の安全に寄与できる取組などを推進し、また川崎支部としては41年間共に歩んで参りました。
 看板は近年、目まぐるしい速さで進化するデジタル技術を応用したデジタルサイネージ(電子看板)などにより、看板の既成概念そのものを変えてしまう勢いがあります。しかしながら、看板の大きな役割である「伝える」という目的はどんな時代も不変であり、日本の看板の歴史は諸説あります が奈良•平安まで遡ります。その頃の看板は商品自体や模したものをサンプルとして掲出していたようです。以降は時代時代の先端技術や技法を用いて少しでも他の看板と差別化を図り伝えることを貪欲に追及していた先人の努力が看板業の礎となり、現在に至ります。
 また、技術の進歩は看板の様々な進化に寄与することとなり、その顕著な例とし大型化があげられます。古くはのれんに商品の絵を描いた物や軒先に吊るす程度であったものが、より目立ち遠方から視認を可能とし他店との差別化を図るために大きく、また高く看板を掲げることが建築技術の進化に伴い可能になりました。現在においても郊外のロードサインに目を向けると、建物よりも高い大きな看板が真っ先に目に入る光景が見受けられ照明設備が付帯されたものであればかなりの距離から夜間でもアピールすることが可能です。このように、技術の進歩は看板を進化させ、大型の他、かつては一方通行であった情報発信をデジタル技術の応用で双方向に行うことも可能な時代となりました。

技能フェスティバルの様子

 しかしながら、目覚ましい看板の進歩とともに悲しい事故が発生していることも直視しなければならないことだと私たちは考えます。建築技術の向上により、高所へ設置や大型構造物を製作することが可能になりました。その一方で不適切な製作・設置方法、そしてメンテナンスの不備などにより、近年痛ましい事故が発生をしております。どんなに技術が発達し素晴らしい機器や工法が開発されても、それらを製作・設置し安全•安心できるよう運用していくためには看板の専門家である私たちが行動を起こさなければならないと考えます。「決して事故は起こさない」 と誓い、先人が貪欲に伝えることを追求してきた想いに負けないマインドで安全に目を向けて次世代に繋げることが必要です。

 また、看板は景観との調和も今後は更に求められます。山の稜線を遮るような大型ロ ー ドサインは決して調和がとれているとは言えず、所有者とともに意識を変えていく事も今後の大きな課題となっています。
 現在、神広美では『官民合同勉強会』や「商店街まち歩き』、「啓発ビデオの作成』事業などを通じ「これ以上、看板が原因となる悲しい事故を起こさない、起こさせない!」という気持ちで所属会員への勉強会などと共に行政、所有者と連携し安全安心な看板を目指し活動をしております。
 昨今の情報化社会とりわけインターネットの普及により様々な情報を簡単に手に入れることが可能となりました。その反面で人と人の繋がりが希薄となりつつあることも事実です。結果として世代や業態を超えた繋がりから得られる知識や気づきが、以前に比べ得ることが難しくなっています。看板製作は文字描きからシートカッティング、プリント出力そしてデジタルサイネージ、または特殊な商材を用いた表現方法と多岐に渡ります。現代の看板は製作する過程で様々な専門技術者の手を経てこの世に誕生することが多くなりました。その観点からも今まで以上に看板に関わる人と人が繋がることで得られる知識や気づきは大切なものになっていきます。
 神広美では会員間のコミュニケーションを促進し、『看板に関わる人と人を繋げる』活動を現在推進し各施策を準備実行しております。現在はこの輪を拡充し互いに協力、研鑽しあえ、より安心安全な看板の実現を目指し次世代へつなげて参りたいと思います。

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地引網大会の様子
技能フェスティバルの様子